2017年9月27日水曜日

生け花に挑戦して解った事


知り合いにお花の先生がおりまして「仲秋の名月を感じながらお月見の花を生けてみましょう」という会にお招きいただきました。

実は7月にもお招きいただき、そのときが生け花初体験だったわけです。60人くらいの中で、先生以外は誰も知り合いがいないというアウェイ感満点の中で、非常に心細く見よう見まねで生けてみました。

花と向き合うのはランニングをしながら写真を撮るようになってからですが、デザインや芸術の対象として向き合うのは初めてでした。

鋏を入れて長さを変え、葉を落とし、「えー、こんな事しちゃうんだー」と新鮮な驚きとともに適当にオアシスに刺して行き、まぁなんとか形になりはしました。

ところが、他の人の作品を見ると、当たり前ですが各人各様。斜めに生ける人、シンプルにポーンと行ってしまう人、同じ素材を使っていながら、こうも違うものができるのかと新鮮な驚きがあったものです。

そのときは「よーし、次はこうしよう!」などと思ったものの、いざ二回目にやってみると、なかなかイメージ通りにはなりません。というか、最初からイメージがあったわけでもなく、先生の真似っ子をしただけだったのですがね。

物事には、なんとなくやってみたら、いつの間にか良いものが出来上がるということがあります。また、学ぶには良い手本を真似るということが基本と言われます。これはどちらが良いのでしょう?

もし私の前に生花の束があって、手本も何もなく自由に活けてみよと言われたら、いったいどんなものになったでしょう?

とかく世の中は画一的な成果ばかり求める傾向にあります。会社とか、スポーツとか、何かガチガチなところに閉じ込めて、同じ方向を向かせること、それはそれで良い点もありますが、その中で個人の価値を表現する力が大きく削がれているような気がします。ですから学んだ成果と自分のオリジナルのバランスを表現するために、芸術に取り組むというのは、とても良い事だと思います。

私も久しぶりに芸術らしい芸術に取り組む事ができ、新しい視点を持つことができました。忙しい現代人がこのような機会を得る事は、実はとても大切なことだと解った1日でした。