2015年9月24日木曜日

口腔インプラント学会(岡山)に行ってきた・1 メンテナンスとインプラント周囲炎


シルバーウィークは、岡山で開催された日本口腔インプラント学会に参加してきました。岡山はもう15年前ほど前に講演をするために行ったことがあるのですが、その時の滞在時間わずか4時間、そのうち講演が3時間で、もちろん観光などできませんでした。

今回は二泊三日でしたので、そこそこ余裕があり、写真のように二日とも朝ランをすることができました。岡山城後楽園日本三名園の一つ)まで、ホテル兼学会場から1.5kmとちょうど良い距離でした。知らない地を走るのは楽しいものです。


さて学会ですが、インプラント周囲炎の話題を選んで聴いて廻りましたが、やはりそもそもインプラントの適用ではない患者さんにインプラントが行わた結果であることが解ります。

歯周病の問題が解決していないままだったり、長期メンテナンスの仕組みがないまま行われていたりと、システムが不備なままただインプラントが適用されているだけという様相が見え隠れします。

本来は患者さんにメンテナンスの必要性を伝え同意がなければ入れ歯やブリッッジにするべきでしょう。しかしそうすると健康保険との差を出しにくいのでインプラントに走る、そういう事が多いのではないでしょうか。

患者さんとしても、歯が無い部分にインプラントをしてもらえばそれでよい、他のところはいじらないでほしいという気持ちが強いのだと思います。しかしインプラントはそれ一本で成立しているわけではなく、隣の歯や相対する歯はもちろん、左右上下全ての歯が良い状態でなくては成立しません。このようなトータルでリスクを低減してゆかなくては、長く使ってゆく事はできません。

単純なムシ歯治療でもそうなのですが、「とりあえず」とか「行き当たりバッタリの穴埋め」では長い人生の途中で必ず問題をおこします。問題がおきてもまた元通りに治してもらえると多くの方が思い違いをしていますが、もちろんそんな事はありません。

インプラント治療に限らず歯科治療を選択するときに、その歯科医院にきちんとしたメンテナンスシステムがあるかどうかを調べる事は、あなたの人生を左右する事に直結いたします。ぜひ慎重にお選びいただきたいものです。インプラント周囲炎の現状を見るまでもなく、改めて強く思うものです。