2014年6月18日水曜日

人の言う事はよくきけ しかし 人の言う事はきくな

日本臨床口腔外科医会・4

さてここからは実際に使ったプレゼン画面を用いながら、私の考えをまとめて行きたいと思います。最初はコレ。私が個人的に講演をさせてもらう時は、だいたいこの画面からスタートします。


人の言う事はよくきけ
しかし
人の言う事はきくな

うーん、このままじゃ意味がわかりませんね。しかし漢字で書くとこうなります。


人の言う事はよく聞け
しかし
人の言う事は利くな

ということ、つまり、、、


よく傾聴せよ
しかし
鵜呑みにするなかれ

ということです。良く言う「リテラシー」を持って聞いていただきたいという事です。

若い先生に多いのですが、とにかく講演で聴いた事を全部信じきってしまう………たいへん危険な事です。講演とはほとんどの場合その人の一意見であり、他にも路がたくさんあるはずです。だからその講演を聴いて「自分はこう思うという意見が大切」と最初に申し上げるのです。

特に歯科の場合は機材機械が絡んでくる事が多く、バックに企業が構えていると勢い「物売り」みたいの講演をする先生が普通にでてきます。これを「誘導論文による販促講演」と言うそうですが、商売上手で口達者な先生は「これを使わないでどうするんですか?」と煽るわけです。若い先生などはそれで手を染め、後で「こんなはずではなかった」と後悔する、そんな話は後を絶ちません。

顕微鏡というハードを扱う講演では、もちろん顕微鏡なしで話はできません。しかしルーペ(眼鏡型拡大鏡)でも良いところもあるし、そっちの方が良い場合もあると思います。これも後で述べますが、自分の診療スタイルに合っているかどうかが一番肝心なのですが、その判断は自分にしかできません。

どんな分野でも「他人の話は良く傾聴する」ことが大切です。そしてそれを自分の日常に当てはめ、本当に自分のため・他人のためになり、時間とお金を投資するという覚悟があって初めて導入するという姿勢であるべきではないでしょうか。

顕微鏡が驚くような結果をもたらすためには、自分の診療スタイルに合っている必要があり、合ってなければ造り出す覚悟がいります。

しかし顕微鏡を買ったはいいが結局使いこなせずオブジェになっている、中には客寄せ用に飾ってあるだけの先生が相当数おられる、そして顕微鏡が中古市場に流れて行くという現象を見続けてきました。「鵜呑みにせず、考え続ける力」が求められていると思うのはそういう事があってのことです。

だから私の話はあくまで吉田個人の体験と考え方を述べるにとどまり、後は自分で答えを見つけてくださいという事になります。これはとかく「答えは一つ」という教育を受けてきた日本人には難しい話だと言われています。

というわけで「吉田格に騙されるな!」と釘を刺して、講演は始まります。